毎週月曜恒例。出版業界関連の先週のニュースで、ボクが気になったものにコメントをつけてまとめていきます。電子出版界隈が中心です。先週は「ITmedia eBook USERが更新終了」「越境電子取引に消費税スタート」などが話題になっていました。
電子書籍は誰が読んでるの?–データを見たら意外なことがわかった – CNET Japan ※2015年9月28日
朝日新聞・林さんの分析。2006~2008年あたりの「ケータイ小説ブーム」のころは、特に女性はいまよりもっと「電子書籍」を読んでいた、という話です。ただ、1ページ目でも指摘されているように、ブラウザですぐ読める場合、当人自身が「読書」だと思っていない可能が高いように思うのですよね。例えばWikipediaには膨大なテキストがあって、関連記事を辿ってるとあっという間に時間消費しちゃうわけで。
ノンフィクションを殺すのは誰か そんな出版業界でいいのか 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版 ※2015年9月28日
講談社「G2」休刊など、ノンフィクションジャンルの厳しい状況について。校閲の重要性は分かるのですが、“ウェブの原稿は、慣例として「校閲」を通さない” ってのは微妙に違うと思うのですが。従来も、中小出版社はどこも、編集者が兼任してたはず。
校閲が別部隊なのは、大手だけですよね。そもそも資料集めや事実関係の確認って、まずは書き手の責任では。どうも、責任を校閲にぶん投げてるように読めてしまう。
主婦の友社「コミカワ」が正式オープン、ページ無制限の漫画投稿機能を実装 – ITmedia eBook USER ※2015年9月29日
「正式オープンに併せて誰でもページ無制限で投稿・公開できる漫画投稿機能を実装」です。comicoやマンガボックスインディーズなどと同じ路線ですね。
海外ネット配信にも消費税課税 アマゾンなど薄れる優位性、販売に影響か (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ) ※2015年9月29日
10月1日以降どうなったか、まだウォッチしきれてません。少なくとも、エージェンシーモデル(出版社が小売価格を決定)で契約している講談社・小学館・集英社あたりは元々消費税込みで売ってたから、10月1日前後で変化はないはず。ホールセールモデルの出版社に関しては、調査しておきたいところ。
自分で出してる本は、こんな感じになっててびっくりしました。
何も触ってないのに、3巻だけ勝手に8%上乗せされてるw http://t.co/iLkRqnEDVQ: Kindleストア http://t.co/bZ4TeGSUUc pic.twitter.com/nLBNCg8D0W
— 鷹野 凌@月刊群雛編集長 (@ryou_takano) 2015, 9月 30
KDPの場合、事前に「販売時点の希望小売価格のうち、8% 部分が消費税とみなされることになります」と通知されてたので、200円(税込)になるはずだったのですが。慌てて管理画面を見てさらにびっくり。
Kindleダイレクト・パブリッシングの管理画面を開いたら、co.jpはこういう状態だったのですよ。これまで小売希望価格200円で設定していたのに、自動で勝手に216円(税別200円)に変わってた。3冊とも全部。 pic.twitter.com/JhFudprpV8
— 鷹野 凌@月刊群雛編集長 (@ryou_takano) 2015, 10月 1
「タイムラグじゃない?」という意見もあったのですが、少なくともKDPで出してるボクのケースは、事前通知とは逆の対応になってたのは間違いないです。こんにゃろ。
「武雄市図書館の時はド素人でした」 海老名市でオープンした2館目のTSUTAYA図書館は何が違う? ※2015年9月30日
旧約聖書「出エジプト記」が旅行ガイド? 海老名市立図書館の配架がちぐはぐすぎて不安視する声 – ねとらぼ ※2015年10月4日
海老名市立中央図書館の指定管理者がCCCになってリニューアルオープン。海老名市やCCC側の言い分と、実態へのツッコミを並べておきます。なお、小牧市住民投票は反対多数で計画見直しに。
電子書籍 – ITmedia Mobile ※2015年10月1日
お知らせ
「ITmedia eBook USER」の更新は2015年9月をもって終了しました。
ITmedia eBook USERに掲載したコンテンツは、引き続きご覧いただけます。
電子書籍専門メディアの「ITmedia eBook USER」が更新終了。過去ログは閲覧可能ですが、トップページはITmedia Mobileにリダイレクトされます。お別れ記事、書いておきました。
さて問題は「今後はどこをチェックすればいいのか?」ですが、幅広く扱っているメディアから拾い上げていく以外ない感じ。ウェブマガジンになった「OnDeck」は週一のキュレーションが中心(あ、ウチと似てるw)。速報は「hon.jp DayWatch」、信頼性なら国立国会図書館の「カレントアウェアネス・ポータル」、端末関連は「AV Watch」や「ITmedia Mobile」、コンテンツなら「ダ・ヴィンチNEWS」といったところでしょうか。うーん……。
出版状況クロニクル89(2015年9月1日~9月30日) – 出版・読書メモランダム ※2015年10月1日
毎月楽しみな、小田光雄さんの出版状況クロニクル。東京書店組合の村上春樹『職業としての小説家』の注文が500部という記述、ソースは……?
復興予算利用の電子書籍、1700冊配信できず 検査院調べ :日本経済新聞 ※2015年10月2日
まだ終わっていない「緊デジ」問題。「回答した出版社約40社の電子書籍約1万8500冊のうち、約2400冊が未配信」「約300社は未回答で、予算で電子化した書籍の7割にあたる約4万6400冊分の配信状況が確認できない」って、おいおい。