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出版(紙・電子問わず)関連でボクが気になった先週のニュースについて、コメントをつけてまとめていきます。先週は、政府のTPP知的財産分野(著作権を含む)交渉方針で、4月の段階で既に著作権保護期間延長と非親告罪化・法廷賠償金制度導入を確定していたという報道と、経済相が慌てて打ち消す報道(どちらも日経)が大きな話題になっていました。あと、週刊少年ジャンプ電子版。
日本の電子書籍、普及の課題は「ディスカバラビリティ」 -INTERNET Watch ※2013年7月8日
自分の書いた記事なので、とくに反響を興味深くチェックしていました。賛同以外だと、「そんなことより、とにかくコンテンツ量が足らない」「横文字使うな・噛む」などなど。ボクの意見は、量・質・鮮度の3要素が足らないというところから変わっていません。”
【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】PFU「ScanSnap SV600」(後編) ~汎用スキャナとして本以外の用途を考察する ※2013年7月9日
山口真弘さんの超・レビュー後編。非接触・非破壊スキャンを、普通の書籍以外の用途に使ってみたらどうなのだろう?という考察。
著作権保護、70年に延長 日米TPP事前協議 :日本経済新聞 ※2013年7月9日
経財相、著作権保護延長「具体的協議せず結論も出してない」 :日本経済新聞 ※2013年7月9日
こちらの詳細は、以下のエントリーでまとめています。日経の記事を見た時は頭に血が上りましたが、この段階で話題になったことは良かったのかな、と。
【西田 33号】出版デジタル機構社長・野副正行氏インタビュー – MAGon ブログ ※2013年7月9日
単号で買って読みました。「緊デジ=出版デジタル機構ではない」という部分は、きちんと認識しておくべきことでしょう。産業再生機構の資本が入っているとはいえ、いちおう民間企業ですし。ちなみに緊デジで電子化された6万5000点のうち、1万6000点が出版デジタル機構の代行経由で、さらにそのうち1万点以上が中小出版社とのことです。
東京新聞に「復興予算無理やり消化(※魚拓)」という報道がありましたが、その延長上で出版デジタル機構を批判するのは筋違い(そういう人をたまに見かける)。そこはちゃんと切り分けないと。
ただ、官報に第1期決算公告が出ていますが、売上原価1500万円・販管費3億2000万円で、売上がたったの200万円、経常損失が4億1000万円というのは、「営利企業」として成り立っていないと思うのですが……。
電子出版EXPOから見える電子書籍の現状 [電子書籍] All About ※2013年7月10日
メディアドゥの「7月5日のセミナーではLINEマンガのコミックダウンロード数が3ヶ月間で270万ダウンロードとのこと」という話が気になります。LINEマンガのサービス開始は4/10、アプリの200万ダウンロード突破が6/18。1人1回はコンテンツをダウンロードする(※無料分も含め)としたら、6月末時点までにコンテンツが270万ダウンロードされてもそれほど不思議な数ではないのですが、そこからどうやって「LINEマンガはコミックだけで月商2億円前後」という仮説を導き出しているのか。謎。
アップル、電子書籍の価格操作で独禁法違反–米裁判所が判断下す – CNET Japan ※2013年7月11日
だいたい予想通りの結果ですが、アップルは上訴するようなのでまだまだ終わりません。これもたまに勘違いしている人がいますが、エージェントモデル(出版社側に価格決定権がある)は別に違法じゃありません。「共謀して価格吊り上げを図ったのでは?」という点が問題視されているのです。
怖いのは、この後なんですよ……Amazonが市場独占したら、こんどは自社単独で販売価格を吊り上げにかかる可能性ががががが。
電子版は複数特典:「週刊少年ジャンプ」45周年記念号、紙と電子で同日発売 – ITmedia eBook USER ※2013年7月13日
ついに大物が動いた!ということで大騒ぎになりました。自分のエントリーに「なんで電子版の方が高いの!?」という反響が付いているのを見て、電子版だけの特典がたくさんついていることに触れておくべきだったなあ、とちょっと後悔。あと、ひとまず45周年記念号だけというのが残念。特典なしでいいから、毎号やって欲しい。大きく流れが変わる。